2019年11月
さよならと言えるように
さよならと言えるように
そう言う人たちの結婚さえ許したりしている区もあるし
恥ずかしいことではないとはわかっている
でも、それを親に行って
スカート履きたいとか、言うと心配させるだろうし
ショックだとも思う
特に父親には、父が望むようなアクティブなタイプでもなかった
それだけでも、何となく、気の毒な気がする
姉は何となく気が付いているようで
一番、キモイ!とか言いそうだし
いったいどうすればいいのかわからない
それに、小6まで仲良かった幼馴染のレイラに告られた
学校のワイワイ騒ぐ女の子は無視しても構わない
でも、レイラは別だ
幼稚園の時から母親同士が仲良しで
小さいころは一緒にお風呂に入ったりしていた
レイラは中学受験して女子の中高一貫に行ったのだが
卒業の時に告られて、返事できないままだ
レイラは多分フラれたと思って
近所なのに、顔も合わせることは無くなった
さよならと言えるように
色は白い
髪の毛は小学生のころからトリートメントをして
できるだけ長めにしている
校則ギリギリ
スタイルはいつだって気を付けている
体重計に乗るのは日課
少しでも増えれば、サラダだけにしたりしている
そんなジャニーズのような友永はいつだって女子にキャーキャー言われた
高校には行ってからは、あまり普通の人と付き合うのはしんどいと思ったから
男女どちらともつるもうとしなかったが
中学くらいだと、それも寂しい
部活も嫌だったのだけど
バスケット部のキャプテンがかっこよくて
それ目当てに入ったりした
でも、部室で
「よう、友永~お前痩せてるな~」
なんて言って、体を触ってくるキャプテン
もちろん、彼にしたら男子同士でじゃれあうような感覚だ
さよならと言えるように
「小6じゃ早い気もするけど
別にいいんじゃない
健康な男子の証拠よ」
そう笑ったが
姉は首を振って
「そう言うんじゃないの
女の子のファッション誌」
「あら、どうして?
あなたが買ってるの?
雑誌はママは買わないわよ」
本当に何もわかってなかった
姉のほうも
「ああ、あの子服とか好きだから
デザイナーとかになりたいのかしら?
美容師とかかもね」
母親はまったく気にしなかった
「それだといいわね
でも頭も悪くないから、大学行ってからでも遅くない気はするけど
なりたいんだったら反対はしないわ
ほら、私たちのカットとかパーマとかしてもらえるじゃない」
中学の間は友永は一番悩んだ時期だった
自分自身が不思議で仕方なかった
周りが女子に鵜の目鷹の目なのに
全く興味がなかった