2020年04月

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花守は笑いながら

「私なんかで会った時から
お洒落なと料理の話
それから、私の悲恋の話を聞いてもらっていた
友達だからね」

それから、数ヶ月
シモンは無事手術も終わり
その足で、友永が借りたマンションに
帰ってきた
友永の家でもシモンは大歓迎で
父親はその経緯を聞いて
とりあえず、マンションの礼金くらいは
払ってやると言い
姉は美男のシモンという
弟が出来たことに大喜び
そして、母親は手放しで喜んだ

シモンは初めて家族の優しさに触れ
残してきた、メイたちのことを心配した

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友永は手術が終わったら
自分がシモンを養おう
大学を卒業したら
もう、大手の企業に就職は決まっている
勉強はしっかりして来た

友永の親も姉も
どんな人を愛するのか
ちゃんとわかってくれている
結婚はできるかわからないが
出来たら、籍もいれたい

花守は大喜びで応援してくれる
シモンの手術前に

「シモン、彼女が私の親友
花守!いつだって力になってくれて
今回のことも
きっかけは彼女の助言だったんだ」

シモンは嬉しそうに

「花守さんのこと、最初嫉妬してました」

タケオが悲しそうに
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「その年頃は才能があっても
お金をかけないと夢は叶えられないかも
しれないからな
とりあえず、シモンのことは
社長に話すよ
すぐにお金の手配はできると思う」

タケオは今やみぃの会社の金庫番だ
15で家を飛び出して
男娼をやっていたタケオにとって
その話は人ごとではない

友永はすぐに、動いてくれる
星人の一族に感謝した
そして、花守にも感謝する

病院に行くとシモンは、これから先
どうしたいのか聞いてみる
経済のエキスパートになりたいのか
と聞くと

「友永さんと一緒にいたい」

そう恥ずかしそうに言った

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「でも、ほら、私って、そっち系だし」

花守は思いっきり笑った

「友永!今まで何年、
星人と付き合ってるの?
あそこのおば様がそんなこと
気がついていないと思うの?
それに、きっと、そんなこと
何にも気にしないわ」

友永はハッとした
なんだか、今、
シモンやブラウンのことで
物凄い狭い世界に入り込んでいた

「うん。とりあえず話してみる」

星人も交えて
今の友永の苦境を速水、そしてタケオも
一緒に聞いた

弁護士である康太も話を聞いて

「確かに、他の3人のことを考えると
法的処置はやめたほうが良さそうだ」

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花守は心配しながら
友永を見た
友永は花守にはいつだって
なんだって話して来たし
花守の星人への想いも
ここ数年、全部聞いて来た

「何か私が聞いて楽になることなら
話してみて
でも、その顔だと、
力にはなれないことなのね」

花守のその言葉
友永は全てを話した
花守は涙を浮かべて聞いていたが

「ね、その話、星人のおばさまに
話してみたらどうかしら」

「え?」

「だって、星人の大叔母様が会社を経営してるでしょう?あそこの会社の慈善事業かなにか、
確かすごい額だったわよ」

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